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山中茂紀の競馬場絵日記

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RSS 11番人気で11年目の重賞初制覇

<<   作成日時 : 2010/02/02 13:40   >>

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 京都牝馬Sは1番人気のヒカルアマランサスが最後方から上がり33秒6の末脚で追い込み、最後は半馬身抜け出して格上挑戦ながら重賞初制覇。馬場状態を見越して大外からの追い込みを選択したデムーロ騎手の判断が光った。名牝ダイナアクトレスを母に持つベストロケーションが2番手か渋太く粘り込み重賞初挑戦ながら2着。2番人気ザレマはスローペースでの逃げとなったが、56キロの斤量と馬場状態が最後の最後で応えてハナ差3着に敗れ、「3度目の正直」とはならなかった。

 一方、根岸Sは前半3ハロン59秒2という重賞としては異例の超スローペースとなり、先行馬有利の展開となったが、11番人気の伏兵グロリアスノアが中団から先行各馬を一気に交わして重賞初制覇。鞍上の小林慎一郎騎手もデビュー11年目にしてうれしい重賞初制覇となった。2番手を追走した1番人気サマーウインドはオーロマイスターの追撃を辛くもハナ差凌いで2着確保。逃げた2番人気ケイアイテンジンはサマーウインドの厳しいマークに遭い、13着と惨敗に終わった。

 また東京新聞杯は直線半ばで逃げるマイネルファルケを交わした2番手追走の2番人気レッドスパーダが危なげない内容で前走のニューイヤーSに続く連勝で重賞初制覇。1番人気トライアンフマーチは、今回は珍しく好位からの競馬となり、エイシンフォワードとの叩き合いを制して2着。1番人気の単勝オッズが4.4倍とかなり人気は割れていたが、結局は2番人気−1番人気の堅い決着となった。

 今週は春のクラシックの登竜門・共同通信杯。新馬→ホープフルSと2連勝中、「関東のエース」と期待されるアリゼオがここから始動開始。他ではジュニアCの勝ち馬ハンソデバンド、ラジオNIKKEI杯2歳S3着のダノンシャンティなどがエントリー。また日曜京都はスプリント戦のハンデ重賞シルクロードS、さらに土曜は小倉大賞典(今年は中京開催)と今週は重賞が3場で行われる。


                        ※


 先週の根岸Sは11番人気のグロリアスノアが制した。ただ、結果論になるがグロリアスノアの11番人気はあまりにも人気がなさすぎた感がある。昨年6月のユニコーンSは2着で、その時1着馬は後のJCダート2着馬シルクメビウス。また前走のエニフS(阪神ダート1400M)も2馬身差の圧勝とダート1600M以下は4戦3勝2着1回とほぼパーフェクト。1番人気が重賞初挑戦のサマーウインド、2番人気が1600万特別→オープン特別連勝のケイアイテンジンだったが、この人気2頭と比較しても実績はヒケを取るどころか、むしろ上回っている。4ヶ月ぶりの休養明けが人気の盲点となったようだが、馬体重はマイナス8キロとキッチリ仕上がっていた。

 しかし、今回グロリアスノアが11番人気の低評価だった大きな要因はおそらく鞍上にあったと思える。鞍上は小林慎一郎騎手。平成12年デビューで今年が11年目という栗東所属の中堅騎手だが、関東の競馬ファンにとっては無名に近い存在といえる。デビュー1年目は14勝で挙げて関西放送記者クラブ賞敢闘賞受賞(関西の新人騎手では最多勝、関東の新人騎手の最多勝は19勝を挙げた嘉藤貴行騎手)、2年目13勝、3年目11勝とコンスタントに勝ち星を挙げていったが、減量特典が取れた4年目の平成15年から勝ち星は激減。さらに翌平成16年には所属していた中尾謙太郎厩舎が定年で解散してしまったため、騎乗数も激減。平成15年以降は平成20年の5勝が最高と低迷。近年の騎乗数は年間55〜61鞍と、平均すると1週間に1鞍程度という状況になっていた。

 平成17年から矢作芳人厩舎に所属。矢作厩舎と言えば、昨年は47勝で全国リーディングを取ったほどの厩舎で、スーパーホーネットやグランプリエンゼルといった重賞勝ち馬も所属するが、小林慎騎手は稽古をつけるものの、なかなかそれらの馬が回ってくることはなかった。そんな状況の中で出会ったパートナーがグロリアスノアだった。新馬戦から任されて見事1着、3戦目の500万条件を勝ち上がった後、平地重賞としては2度目の騎乗となるユニコーンSで2着に入って初連対。ジャパンダートダービー4着の後、レパードSは田中勝騎手に乗り代わりとなったが、ここで9着と惨敗したため、再び小林慎騎手の手に戻ってきた。

 そしてエニフSを快勝後、今回の根岸Sの重賞初制覇とつながっていった。本来であればここまで実績を残した馬であれば、一流ジョッキーへの乗り代わりになるのが普通である。しかし、ここまで騎乗が任され続けたというのは、まず馬主である高野葉子氏がそれほど多くの馬を持っている馬主でなかった点(大馬主の場合だとこうはならないケースが多い。あくまで「ケースが多い」ということで全てではないので悪しからず)、そしてやはり矢作師との堅い絆があってこそのものだったと推測する(矢作師は「あいつ(小林慎騎手)で勝てたのは本当にうれしい。頑張って乗せてきた甲斐があった」とコメントしている)。

 ちなみに小林慎一郎騎手は昨年が3勝、今年が2勝を挙げているが、そのうちの3勝をグロリアスノアでマークしている。また平成19年以降11勝を挙げているが、そのうちの8勝が左回り。グロリアスノアも東京コースは3戦2勝2着1回。ということは「人馬揃ってのサウスポー」ということになる。フェブラリーSももちろん小林慎騎手で行くこととなる。エスポワールシチー以下、根岸Sとは比べ物にならない錚々たるメンバーが揃うこととなるが、グロリアスノアも前走並みのパフォーマンスを見せることができれば、上位争いも十分可能である。小林慎一郎よ、男になって来い!





PROFILE●やまなか しげき
1969年生まれ。某大学卒業後、出版社、編集プロダクションを経て、フリーとなり現在に至る。
競馬歴は20年。オグリキャップの中央入りと同時期に競馬を始め、数々の名馬と熱い時代を共にする。好きな馬はメジロライアン、アイネスフウジン、ナリタブライアン、スマートボーイ。
予想はデータ(傾向)中心で、他は騎手、コースの特徴、ローテーションなどを重視。
好きな脚質は逃げ馬。レースの大半は逃げ馬を買っているという筋金入り。
ちなみに平成4年の朝日杯3歳S以来、馬券購入を1日たりとも欠かしていない
自称「競馬界の衣笠」である。


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